薄荷脳の夢

1日1冊読みたい、とある勤め人の読書記録と日々のよしなしごと。ミステリとホラー多めだけどかなり雑食。

こんな夢を見た

 こんな夢を見た。

 私は駅前で買い物をしていて、以前訪れた雑貨屋を探している。

 雑居ビルの2階か3階にあって、名前は覚えていないけれど内装も商品も全て私好みだったことは覚えている。

 名前を覚えていないから、スマホで検索することも出来ない。仕方なく私は、雑居ビルを1軒1軒訪ねて回る。そうせずにはいられないほど、その雑貨屋は素晴らしい場所だったのだ。

 途中、たくさんの犬が押し込められた部屋やなぜか河原に繋がっている部屋はあったが、当の雑貨屋は見つからない。

 とうとう見つけられないまま目を覚まして、ようやく気付くのだ。ああ、私はそんな店、1度も行ったことないのに、と。

 

 いきなり昨日見た夢の話ですみません。他人が見た夢の話って、どうでもいい話ランキング1位だとどこかで聞いたことがありますが、個人的に不思議だなと思ったのでここで書かせてもらいました。

 というのも、実はこの夢、すでに何回か繰り返し見ているのです。途中に出てくる部屋は、そのつど人間がマネキンをしている服屋だったり、一言も喋ってはいけない部屋だったりとヴァリエーションがありますが、駅前で以前訪れた雑貨屋を探すというシチュエーションは共通しています。

 そしてなぜかこの夢、具合が悪いときにばかり見るのです。

 昨日は台風後、急に上がった気温で熱中症になりながら見た夢がこれでした。前は偏頭痛が酷くて起き上がれなかったときや、貧血で倒れた時にも見ました。

 そう考えると、素晴らしい場所である雑貨屋というのは天国のメタファーで、今までは見つけられなかったから生きていられて、その雑貨屋を見つけたら死んじゃうのでは……。なんて、思うこともありますが、所詮は夢ですからね。あまり気にしないようにしています。

 それより気になるのは、現実で1度も行ったことがない実在しない場所を、夢の中では絶対1回行ったことがある! と意固地になって探していることです。

 個人的な感覚なので上手く伝えられないのですが、夢の中では存在する、と確信して半ば必死で行動しているにも関わらず、目が覚めた途端「いや、そんなとこ知らないし」と急激に現実に戻る感じがすごく不思議なんですよね。夢なんてそんなものかもしれないですけど。

 まあ、中身のない夢の話は置いておいて、こう夏目漱石の『夢十夜』っぽく書いてやろうと思って久しぶりに読み返したのですが、なんかもうすごかったですね。

 普段使わないような単語がたくさん出てくるし、言い回しも固いのに次へ次へと読めてしまうのは、やっぱり文豪の文章力なんだな、と思いました。

 到底真似できるレベルじゃなかったので、冒頭の一文だけ拝借してあとは自由に書きました。漱石先生、なんかすみません……。

 ちなみに私が1番好きなのは、六部殺しみたいな第三夜です。

 

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

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