イリアスと私
小学生の頃、たかしよいちの「まんが世界ふしぎ物語」シリーズが好きでした。特にシュリーマンがトロイア遺跡を発掘する『よみがえる黄金の宝』の巻が好きで、何度も図書室から借りてきて読みました。
なぜいきなりこの話をしたのかというと、Fate/Grand Orderでパリスが実装されたからです。先日のアキレス腱の話も、パリス→トロイア戦争→アキレウスという流れで思い出したので書いてみました。
トロイア戦争と言えば、ホメロスの叙事詩イリアスが有名で、冒頭に挙げたシュリーマンも幼い頃、父親に読んでもらったイリアスに影響を受けて、遺跡を発掘しようとしたとか。(現在ではこの話の真偽が怪しいとされているそうです)
FGO内でもアレキサンダー=イスカンダルが愛読書にしており、世界的に広く読まれている本ですが、実は私、イリアスにはちょっと苦い思い出があるのです……。
高校の頃、世界史の期末テストでのことです。範囲は古代ギリシャの辺りで、シュリーマンやトロイア戦争も出てきました。それで、最後の方の設問に「トロイア戦争について書かれたホメロスの叙事詩を答えよ」というものがありました。
えーと、なんだっけ、あ、イリアスだ、と他の問題と同じように解いて、その時は特に印象に残るような問題でもなかったのです。
しかし、テスト返却の際、この設問について生徒の間から「授業でやってないから、この問題はナシにしろ」という声があがったのです。先生は「教科書と資料集の指定のページから、授業でやったやらないに関係なく出題すると予め提示していたから取り消さない」と取り合わず、しばらく生徒たちとの間で応酬が続きました。
私はといえば普通に正解していましたし、古代ギリシャ史は好きだったからけっこうイイ点取れたしで、この問題がナシになってその分の点数がはずれた人にも加点されようが何しようがどうでもよかったので静観していました。
その間にも議論がヒートアップし、誰かが「こんなの誰も正解できないじゃないですか!」と食ってかかりました。そしたら先生が「でも、るか(私のこと)は当たってたし」と言ったのです。
その後の沈黙の居心地の悪さと言ったら……!
多分静まり返っていたのは一瞬だったのでしょうが、お前……! という視線で針の筵になっていた私にはかなり長い時間に感じられました。
別にその後いじめられたりしたワケでもないんですが、先生が私の名前さえ出さなければ、ちょっとテストでいい点が取れただけで終わったのに、一瞬とはいえクラス中を敵に回すという変なケチがついたと、今でもときどき思い出すのです。ほんと、名前出すことないじゃん……。
でも、クラスで1人だけイリアスを答えられたご利益(?)なのか、FGOでアキレウスが実装された時、ガチャで1発で召喚できました。でも、その時は別のサーヴァント目当てで回したんですけどね。